猿ヶ島【電子書籍】[ 太宰治 ]
<p>「はるばると海を越えて、この島に着いたときの私の憂愁を思い給え。
夜なのか昼なのか、島は深い霧に包まれて眠っていた。
私は眼をしばたたいて、島の全貌を見すかそうと努めたのである。
裸の大きい岩が急な勾配を作っていくつもいくつも積みかさなり、ところどころに洞窟のくろい口のあいているのがおぼろに見えた。
これは山であろうか。
一本の青草もない」</p> <p>※本文約6,000字</p>画面が切り替わりますので、しばらくお待ち下さい。
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